増毛町が誇る老舗蔵元「国稀酒造株式会社」とは?
北海道増毛郡増毛町にある「国稀酒造株式会社」は、日本最北の酒蔵として知られ、厳しい寒さと豊かな自然に育まれた地酒を製造しています。
創業は明治15年(1882年)、屋号は「丸一本間」。
もともと呉服商からスタートしたというユニークな背景を持ち、現在は全国にファンを持つ老舗蔵元です。
- 屋号:国稀酒造株式会社(旧称:丸一本間)
- 所在地:北海道増毛郡増毛町稲葉町1丁目17
- 創業:明治15年(1882年)
- 代表者:代表取締役社長 林 花織
日本海に面した増毛町は、酒造りに欠かせない名水・暑寒別岳(しょかんべつだけ)連峰の伏流水が湧く土地。
この地の恩恵を受け、今も昔も変わらぬ「国に稀な良い酒」を醸し続けています。
呉服商から始まった歴史ある酒造りの道
「国稀」の歴史は、創業者・本間泰蔵が明治15年に増毛郡役所に醸造免許鑑札願いを届けたことに始まります。
もともとは佐渡出身の仕立て屋の三男として生まれた泰蔵が、呉服商としての行商中に増毛の地に魅せられ、明治8年に定住。
その後、呉服店を営みながら、雑貨商、海運業、漁業、そして酒造業へと事業を拡大しました。
当時、本州から取り寄せる酒は高価で、地元での自家醸造の必要性を感じた泰蔵は、佐渡の知人の知識をもとに自らの手で酒造りを開始。
20年間は自宅兼旧商家(現・重要文化財)内で酒を造っていましたが、明治35年には現在の地に本格的な石造りの酒蔵を建設。
また、「国稀」の酒名は、日露戦争後、泰蔵が乃木希典元陸軍大将に出会い、その人格に感銘を受けて名付けた逸話が残っています。
「國稀」だけじゃない!国稀酒造の代表銘柄紹介
◆ 國稀(くにまれ)
「国に稀な良い酒」を意味し、社名にもなっているフラッグシップ銘柄。
乃木希典の「希」の字をもとに命名されました。
純米酒から大吟醸までラインナップされており、キレのある後味と柔らかな口当たりが特徴。
- おすすめ銘柄
- 國稀 特別純米酒:米の旨みがしっかり感じられ、冷やから燗まで幅広く楽しめる。
- 國稀 大吟醸:38%まで磨いた酒米を使用し、華やかな香りと繊細な味わいが魅力。
- 國稀 本醸造:価格も手頃で日常酒として人気。癖のないスッキリした味わい。
◆ 地域限定酒・新酒シリーズ
増毛町限定で販売される銘柄も多く、吟風など地元産の酒米を使った希少な商品が揃っています。
特に新酒シーズン(1月~春)は、しぼりたての原酒や甘酒の提供もあり、酒蔵ならではの旬の味覚を楽しめます。
歴史を感じる酒蔵見学と購入方法について
◇ 蔵元見学のご案内
国稀酒造では、通年で酒蔵の見学を実施しており、醸造の工程を間近に見ることができます。
工場の石造りや昔の道具、酒蔵資料室なども見どころ満載です。
- 見学時間:9:00~16:30
- 休業日:年末年始を除き基本無休
- 予約:10名以上の場合は要予約(☎0164-53-9355)
- 入場料:無料
◇ 試飲コーナー・水場・ギャラリー
- 利き酒コーナー:全16種類の酒を無料で試飲可能(運転者は不可)
- 湧き水:誰でも持ち帰り可の伏流水が汲める水場あり
- 米蔵ギャラリー/千石蔵:歴史ある展示やイベントも開催
◇ 購入方法
- 直売店:歴史ある蔵の一部を改装した売店で地元限定品や酒粕、和風小物を購入可能
- オンラインショップ:國稀酒造公式サイトにて全国配送対応
- ECサイト:Amazonや楽天市場で一部商品を取り扱い中
まとめ
明治15年創業、増毛町に根ざした「国稀酒造株式会社」は、呉服商からスタートした異色の背景を持ちながら、今や北海道を代表する地酒の蔵元です。
名水・暑寒別岳の伏流水と伝統的な南部杜氏の技を活かし、数々の名酒を世に送り出しています。
蔵見学や試飲体験ができ、地域限定酒を含む多彩なラインナップは、訪れる価値大いにあり。
オンラインでも気軽に購入できるため、ぜひ一度「國稀」の芳醇な味を体感してみてください。
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